ベクトルの銘柄紹介

こんにちは、はーいーです。本日の個別株の銘柄紹介は、ベクトル(6058)です。

ベクトルは以前ご紹介したPR TIMESの親会社です。

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ベクトルの会社概要

コンセプト

会社のコンセプトとして、「モノを広めるFAST COMPANY」を掲げています。これは、以前と異なり現在は何かを購入する際、広告よりも第三者の発信する情報に信頼を置くようになってきています。一方で販売する会社は自社の製品やサービスをテレビや新聞ではなく、届けたい人に届けたい情報を、低コストかつスピーディにというニーズが高まっています。当社は、それに対してPRがもっとも効果的と考えています。情報の整理・加工からターゲットに向けた配信までを一気通貫でできるビジネスモデルを構築しています。

沿革

1993年3月にセールスプロモーションを目的として会社が設立されました。その後PR事業に軸足を移し、PT TIMESを設立したのは2005年12月です。2012年3月にはマザーズに上場しました。HR事業のあしたのチームを子会社化したのは2018年7月です。

事業内容

7つの事業を行っていますが、そのうち3つの事業、PR・広告事業、プレスリリース配信事業及びHR事業に絞ってご紹介いたします。

PR・広告事業

PR・広告事業は、従来からの広報業務に加えて、PR支援を行うコンサルティングやタクシー車内のタブレットを活用したIoTサイネージサービスを行っています。国内だけではなく、中国、ASEANにも展開しています。

プレスリリース配信事業

プレスリリース配信事業は、顧客商品、サービスに関する情報をプレスリリースとして配信するプラットフォーム事業を展開しています。子会社であるPR TIMESが行っている事業です。

HR事業

HR事業は、人事評価制度の導入や運用を支援するコンサルティングや人事評価クラウドサービスなどを展開しています。子会社であるあしたのチームが中心に行っている事業です。

ベクトルの業績

業績推移

ベクトルの業績推移

直近8年間の業績推移です。売上高は2021年2月期の伸びが少なかったものの、きれいに右肩上がりで伸びてきています。一方経常利益は2019年2月期と2021年2月期の2度減益がありましたが、それ以外は伸びてきています。この間の平均成長率は、売上高が28.4%、経常利益が17.4%非常に高い伸びを示しています。また、2021年2月期に限りますと、売上高1.2%増、経常利益15.8%減とこの8年で一番振るわなかった年と言えるかもしれません。ただ、この1年はコロナの影響でイベント、発表会の延期や中止が相次ぎ、また商談件数が減少してしまった中でも、増収を確保したというのは素晴らしい点と思います。

四半期ごとの業績推移

ベクトルの四半期ごとの業績推移

2020年2月期からの四半期ごとの業績推移です。これを見ますと、売上高は2021年2月期第2四半期頃にかけて一度減少傾向になっていますが、その後は増収傾向になります。一方経常利益は大きな波があります。直近の2022年2月期第3四半期は、前年同期比で売上高25.3%増と大きく伸びている一方、経常利益は22%の減益になっています。経常減益ですが、業績推移をみる限り、2021年2月期第3四半期の経常利益が非常に高かったためです。これは、2021年2月期第3四半期に投資有価証券の売却益が10億円以上計上されたためです。それを除けば、経常利益も増益になっています。
営業利益の波の原因を事業ごとの推移で確認していきたいと思います。

PR・広告事業の四半期ごとの業績推移

PR・広告事業の四半期ごとの業績推移

PR・広告事業の四半期ごとの業績推移です。全体の業績推移と似たような形になっています。2021年2月期の第2四半期に一度売上高、営業利益ともにこの期間で最少を記録した後は、全般的に増収・増益傾向になっています。売上高はそれ以前に比べても大きく伸びていますが、営業利益は概ね横ばいの様子です。直近の2022年2月期第3四半期は前年同期比で売上高41.6%増、営業利益48.5%増と大きく伸びています。

2021年2月期第1四半期及び第2四半期の売上高及び営業利益の減少の主な要因はコロナのための様です。それでもオンライン対応を早期に図ることができたため、黒字を確保し、第3四半期以降の伸びに繋げることができている様です。

PR・広告事業を地域別にみると売上高の10%程度は海外です。海外ではまだ営業赤字が続いており、ロックダウン等の場合の影響は日本よりはるかに大きく、売上高にも波ができ、赤字幅が膨らんでいます。

プレスリリース配信事業の四半期ごとの業績推移

プレスリリース配信事業の四半期ごとの業績推移

プレスリリース配信事業の四半期ごとの業績推移です。売上高は四半期ごとに見てもおおむね右肩上がりです。営業利益は多少波はありますが、この期間で見ると右肩上がりになっています。また例年第4四半期が売上高、営業利益ともに少なくなっています。直近の2022年2月期第3四半期は前年同期比で売上高27.7%増、営業利益32.3%増と大きく伸びています。

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HR事業の四半期ごとの業績推移

HR事業の四半期ごとの業績推移

HR事業の四半期ごとの業績推移です。HR事業では、あしたのチームでの売上高の計上時期の誤りが2020年10月に発覚いたしました。上記資料は修正後のものになっています。

HR事業は、コロナの影響を最も強く受けています。コロナの影響が始まった2021年2月期第1四半期に売上高が大きく落ち込み、その後横ばいが続いています。営業利益も長らく赤字が続いてきましたが、2022年2月期第2四半期から、コロナ直前の2020年2月期第4四半期以来の黒字を達成し、続き第3四半期では営業利益をさらに伸ばしています。売上高が伸びない中での営業利益の確保は、事業体制の整備と最適化を実施したためということです。構造改革により販管費を11億円削減する一方、SaaS型商材でストック比率を拡大し安定した収益基盤を構築する計画です。

2022年2月期の業績見通し

ベクトルの2022年2月期の業績見通しを追加した業績推移

上記業績推移に2022年2月期の業績見通しを追加してみました。2022年2月期は2021年2月期に比べて売上高22.1%、経常利益78.8%増の見通しです。2021年2月期がコロナの影響で業績が振るいませんでしたが、2020年2月期と比べても売上高23.6%増、経常利益50.5%増と大きく伸びています。第3四半期での進捗率は売上高75.4%、経常利益81.7%と順調な推移です。
なお、この業績見通しは第2四半期決算発表時に修正されたものです(売上高が2,200百万円の下方、経常利益が1,000万円の上方修正)。

中期経営計画

来期、2023年2月期を最終年度とする3か年の中期経営計画があります。これによると、2023年2月期の営業利益は6,000百万円となっています。2022年2月期の営業利益の見通しが4,800百万円ですので、計画通りであれば、2023年2月期の営業利益は2022年2月期に比べ25%増になります

PER

現在(2022年2月9日)の株価からすると、PERは26倍ほどです。

株主還元

配当情報

2022年2月期は1株当たり8円の配当予想です。こちらももともとは1株当たり4円配当の予想だったのですが、第2四半期決算で増配予想が発表されました。なお、2021年2月期が2円配当だったので、4倍にもなります。現在(2022年2月9日)の株価からすると、配当利回りは0.7%程です。

優待情報

株主優待は「ベクトル・プレミアム優待倶楽部」のポイントが付与されます。初年度は300株で3,000ポイント、3,000株以上になりますと40,000ポイントになります。更に、2年継続保有で10%ポイントが割増しになります。株主優待にしては珍しく、株数が増えると優待も増加します。

関連銘柄

冒頭や事業内容でも記載しました通り、ベクトルは以前ご紹介したPR TIMESの親会社です。PR TIMESはプレスリリースを行っている会社ですので、過去の投稿もご参照くださいませ。

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はーいーによるベクトルの銘柄紹介は如何でしたでしょうか。銘柄分析や株式投資の参考にして頂ければと思います。

本投稿はあくまでベクトルの銘柄紹介を目的としており、ベクトルへの株式投資の勧誘を目的とするものではありません。株式の売買につきましては、ご自身の判断、自己責任にて行なっていただきたく、お願い致します。

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