アートスパークホールディングスの銘柄紹介

こんにちは、はーいーです。本日の個別株の銘柄紹介はアートスパークホールディングス(3663)です。

アートスパークホールディングスの会社概要

事業内容

大きく二つの事業、①クリエーターサポート事業と②UI/UX事業を行っています。

クリエーターサポート事業

「CLIP STUDIO PAINT」の企画、開発、運営等を主に行っています。「CLIP STUDIO PAINT」は、マンガ・イラスト・アニメ制作ができるソフトウェア、アプリです。現在、約1,500万人が利用しているとのことです。

UI/UX事業

「CGI STUDIO」の企画、開発、運営等を主に行っています。「CGI STUDIO」は車載向けソフトウェア開発プラットフォームです。現在、5,000万台を超える自動車に搭載されているとのことです。

沿革

1991年に現在「CLIP STUDIO PAINT」を運営している会社、株式会社セルシスが設立されています。1993年にアニメーション制作ソフトの販売を始めています。2006年にはセントレックスに、2010年に東証二部へ上場しています。一方、UI/UX事業を行っている株式会社エイチアイは1989年に設立されています。エイチアイは2001年に世界初の携帯端末向け3D描画エンジンを発表し、2007年にJASDAQに上場しています。
アートスパークホールディングスが設立されたのは、2012年、株式会社セルシスと株式会社エイチアイの共同持株会社として設立されました。
「CGI STUDIO」を運営しているCandera社は2000年にオーストラリアで設立されています。2019年1月に買収し、子会社化しました。
直近では、2021年12月にLINE Digital Frontierへの第三者割当増資により、約15億円を調達し、LINE Digital Frontierが筆頭株主(5%保有)になっています。

アートスパークホールディングスの業績

業績推移

アートスパークホールディングスの業績推移

直近8年間の業績推移です。売上高は2015年まで増収となっていますが、2016年、2017年と減収になり、その後大きく増収になっています。一方経常利益は2016年から減益が続き、2020年に大きな増益になりました。この増減の原因は、事業ごとの推移を確認すると分かります。

クリエーターサポート事業の業績推移

クリエーターサポート事業の業績推移

クリエーターサポート事業は2014年の僅かの減収を除き、きれいに増収増益を達成しています。2013年からの8年間の平均成長率は売上高が14%、営業利益は77.8%にも上ります。2020年は2019年に比べ、売上高33.6%、営業利益111.4%増と非常に高い伸びを示しています。

UI/UX事業の業績推移

UI/UX事業の業績推移

UI/UX事業はクリエーターサポート事業に比べて大きな波があります。売上高も増減収を繰り返し、営業利益は赤字の年度の方が多くなっています。

2019年、2020年と大きな赤字になっている要因の一つがCandera社買収によるのれん償却費の発生です。買収により約15.2億円ののれんが発生しました。そののれんの償却費が2019年、2020年ともに2.3億円発生しました。2020年は、さらにコロナの影響で自動車業界において世界規模での生産台数の減少や設備投資の減少があり、赤字幅が大きく膨らみました。

四半期ごとの業績推移

アートスパークホールディングスの四半期ごとの業績推移

四半期ごとの業績推移です。売上高は前年同期比較で毎四半期増収になっています。経常利益は、直近7四半期は増益になっていますが、2019年は減益でした。
2021年12月期第3四半期は、前年同期比で売上高1.8%増、経常利益は30.2%増になっています。

クリエーターサポート事業の四半期ごとの推移

クリエーターサポート事業の四半期ごとの業績推移です。
売上高、経常利益ともに、前年同期比較で毎四半期増収・増益を続けています。
2021年12月期第3四半期は、前年同期比で売上高15.2%増、経常利益は8.2%増になっています。

そのため、四半期ごとの経常利益のぶれは、UI/UX事業が要因になります。

2021年12月期の見通し

アートスパークホールディングスの2021年12月期の見通しを追加した業績推移

上記業績推移に2021年12月期の業績見通しを追加しました。2021年12月期は売上高11%増、経常利益80%増と、特に経常利益の伸びの見通しが大きいです。この原因は、営業利益になりますが、引き続き堅調なクリエーターサポート事業で3.9億円の増益と、UI/UX事業で3.3億円赤字幅が減少するためです。

中期経営計画

2020年11月に2021年から2025年までの中期経営計画が発表されています。これによると2025年は2020年に比べ売上高が2.1倍、営業利益を5.9倍に引き上げる計画になっています。
事業別には、クリエーターサポート事業では2025年は2020年に比べ売上高が2.2倍、営業利益を2.4倍、UI/UX事業では2025年は2020年に比べ売上高が1.7倍、営業利益を黒字化し、2020年に比べて18.5億円の増益を見込んでいます。なお、UI/UX事業の黒字転換の時期は2024年とされています。

PER

現在の株価(2022年1月27日時点)からすると、PERは16倍ほどです。

株主還元

配当情報

2021年は1株当たり3円の配当見込みです。現在の株価(2022年1月27日時点)からすると、配当利回りは0.4%ほどです。

優待情報

株主優待はマンガ・イラスト・アニメ制作ができる「CLIP STUDIO PAINT」の機能が搭載された「CLIP STUDIO PAINT EX 1デバイス 6か月版」です。100株以上保有で付与され、半年ごとにもらえます。

関連銘柄

車載向けソフト開発は、以前ご紹介したPCIホールディングスも行っています。合わせてご参照ください。

PCIホールディングスの銘柄紹介はこちら

はーいーによるアートスパークホールディングスの銘柄紹介は如何でしたでしょうか。アートスパークホールディングスの銘柄分析や株式投資の参考にして頂ければと思います。

本投稿はあくまでアートスパークホールディングスの銘柄紹介を目的としており、アートスパークホールディングスへの株式投資の勧誘を目的とするものではありません。株式の売買につきましては、ご自身の判断、自己責任にて行なっていただきたく、お願い致します。

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