こんにちは、はーいーです。本日の個別株の銘柄紹介はセレス(3696)です。
セレスの会社概要
経営理念
経営理念として「インターネットマーケティングを通じて豊かな世界を実現する」を掲げています。
具体的には「インターネット世界の価値と現実世界の価値を繋げるために」をもとに、2005年に創業し、モバイルポイントサービスを始めています。
沿革
上記の通り、2005年に創業し、「モッピー」のサービスを開始しています。アルバイト求人サイトである「モッピーバイト」は2010年の開始です。2014年にマザーズ上場、2016年には東証一部に市場変更しています。2017年にはビットバンク株式会社と資本提携し、同年株式会社マーキュリー(暗号資産交換業)を設立しました。
事業内容
大きく「モバイルサービス事業」と「フィナンシャルサービス事業」の二つを営んでいます。
モバイルサービス事業
日本最大級のポイントサイト「モッピー」、自社アフィリエイトプログラム「AD TRACK」と、各種コンテンツメディア運営やDX化を手掛ける「ゆめみ」で構成されています。
「モッピー」の会員数は毎年順調に伸びており、2021年9月末で約354万人となっており、1年前に比べ27.8%も増えています。
フィナンシャルサービス事業
暗号資産関連事業、ファクタリングサービス事業及び投資育成事業から構成されています。
株式会社マーキュリーが主要5通貨の暗号資産販売を行う「CoinTrade」を2021年3月に開業しています。現在は会員獲得を目的に先行投資が行われ、営業損失状態です。
セレスの業績
業績推移
直近8年間の売上高と経常利益の推移です。
これを確認すると売上高はきれいな右肩上がりで、2013年12月期から2020年12月期までに17倍にも増えています。経常利益も2018年12月期が一度赤字になっていますが、それ以外は順調に増えています。この間の平均成長率は売上高が50.2%、経常利益が42.3%と驚異的な伸びを示しています。2020年12月期の前期比較を見ても、売上高22.4%増、経常利益に至っては129.3%増と2倍以上になりました。
2018年12月期は経常赤字になっています。当初2018年12月期の決算発表では、979百万円の経常黒字でした。これを2019年12月期から「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」の適用を受けることになり、2018年12月期に遡及すると経常赤字になりました。影響を受けるのは主に営業利益より下の営業外損益でした。営業利益までは大きな変動はありません。営業外損失として、仮想通貨評価損を520百万及び投資先企業でも仮想通貨評価損が生じたと思われますが、持分法による投資損失が453百万円増えていました。
四半期ごとの推移
前々期から約3年間の四半期ごとの推移です。
これを確認すると、売上高は2021年12月期第1四半期まではおおむね順調に伸びてきましたが、第2四半期以降減少しています。経常利益も増加傾向ですが、四半期ごとに波がかなりある様に見えます。
直近の2021年12月期第3四半期は、前年同期比で売上高7.4%増、経常利益49.5%増と伸びています。
そこで、「モバイルサービス事業」と「フィナンシャルサービス事業」の事業ごとに確認したいと思います。
モバイルサービス事業の四半期ごとの推移
モバイルサービス事業の四半期ごとの推移です。これを確認しますと、売上高は、概ね右肩上がりですが、やはり直近の2021年12月期第3四半期は大きく減少しています。営業利益は横ばいかやや右肩上がりな感じです。
2021年第1四半期の営業利益が大きく増加した要因は、ポイントの売上高が前年同期比で40.6%と大幅に増収、またコンテンツも前年同期比で257.9%増収になったことが、営業利益の大幅増に繋がった模様です。
また、2021年第2四半期が売上高が第1四半期と同程度である一方、営業利益が大きく下がったのは、ポイント付与のタイミングのズレによるが要因の様です。
2021年第3四半期の売上高が大きく減少した要因は、ポイントやコンテンツも第2四半期に比べ売上が減少していますが、アフィリエイトプログラムが特に大きく減収になっています。これは、昨年はコロナ特需があり、それが剥落したこともある様ですが、それ以上に消費者保護からの景表法・薬機法の規制強化(8月施行)によりクリエイティブ表現に制限が掛かったことが要因の様です。
studio15の子会社化
上記の通り減収になった対策として、今後インフルエンサーマーケティングを強化するということです。そこで、TikTok公認MCNでクリエーター事務所のstudeio15を2021年10月に100%子会社化しています。
フィナンシャルサービス事業の四半期ごとの推移
フィナンシャルサービス事業の四半期ごとの推移です。これを見ると、売上高、経常利益ともに2021年12月期に入って大きく伸び始めています。直近の第3四半期を前年同期比でみると、売上高は約5倍に伸び、営業利益も大きく黒字化しています。
2021年12月期から順調に伸び始めた要因は、コインチェックのアーンアウトやスマートアプリ株式の売却などが貢献している様です。また、営業外になりますが、持分法適用会社であるビットバンク(国内最大級の現物暗号資産取引所)の業績がのび、特に第1四半期で大きな利益貢献になっています。
2021年12月期の業績見通し
上記業績推移に2021年12月期の業績予想を追加してみました。
2021年12月期は前期比で売上高17.7%増、経常利益65.2%増と引き続き大きく伸びる計画です。
進捗率は、売上高は76.6%ですが、経常利益は112.2%とすでに業績見通しの数字を上回っていますが、通期の業績見通しを据え置いています。これは第4四半期においてポイントメディア事業等へ先行投資するため、とのことです。
なお、9月2日に親会社株主に帰属する当期純利益を上方修正しています。これは持分法適用会社のビットバンクが資金調達することに伴い、持分変動利益が特別利益として10億円計上されることになる見込みのため、ということです。
中期経営計画
2021年12月に2026年までの中期経営計画の策定が発表されました。
2026年12月期には2021年12月期の業績見通しに比べて、売上高が2.3倍の400億、経常利益は2.8倍の100億を計画しています。
中期経営計画の経営方針
この中期経営計画の数値目標を実現するための経営方針として「トークンエコノミー」ということを掲げています。「トークンエコノミー」として「ポイント経済圏」と「ブロックチェーン」でプラットフォーム構築を目指すということです。
これは「ポイント経済圏」をモバイルサービス事業の重点戦略に、また「ブロックチェーン」をフィナンシャルサービス事業の重点戦略に位置付けるようです。
また、5年間で300億円の積極投資も実施するということです。
これにより、上記数値目標を事業別にみると、モバイルサービス事業で売上高350億円、経常利益50億円、フィナンシャルサービス事業で売上高50億円、経常利益50億円という按分です。
PER
現在の株価(2022年2月4日時点)からすると、PERは7.4倍ほどです。
株主還元
配当情報
2012年12月期は1株当たり36円の配当予想です。現在の株価(2022年2月4日時点)からすると、配当利回りは1.7%ほどです。
優待情報
優待情報はありませんでした(2022年2月4日現在)。
はーいーによるセレスの銘柄紹介は如何でしたでしょうか。セレスの銘柄分析や株式投資の参考にして頂ければと思います。
本投稿はあくまでセレスの銘柄紹介を目的としており、セレスへの株式投資の勧誘を目的とするものではありません。株式の売買につきましては、ご自身の判断、自己責任にて行なっていただきたく、お願い致します。
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